鳶職は、主に建設現場の高い場所で作業、家を建てるときに基礎工事や解体工事を専門に行う仕事です。
また、鳶職のことを鳶工という呼び方をすることもあります。
鳶職の鳶という呼び方が一般的にされるようになったのは、古く江戸時代の職人さんが仕事の際に使用していた鳶口という道具からやってきたとされているようです。
鳶職人の種類
鳶職人は、建設現場の高い場所での作業を行っていきますが、その作業場所によって野丁場鳶と新丁場鳶に分けられています。
野丁場鳶は、橋梁や高層ビル、ダムなど大規模な工事現場でゼネコンが専門の下請業者として仕事を行っている鳶。
新丁場鳶は町鳶とも呼ばれ、町の工務店や建設会社の下請けとして住宅の基礎工事、足場の設置、外構や解体作業などを行うという地元密着型の仕事を行っていく鳶です。
鳶職人は、それぞれ作業の内容により足場鳶、鉄骨鳶、重量鳶に分けられていきます。
足場鳶とは、その名前の通り建築現場の足場を組むことや、解体などを行っていきます。
鉄骨鳶は、高層ビルや橋梁などの鉄骨の組み立てや解体作業など鉄骨を使って基礎となる部分、骨組みを作っていきます。
重量鳶は、足場鳶や鉄骨鳶とは異なり、専門性の高い業務を行っていきます。
作業の中には、大型機械のような重量物などの組み立て、高い場所への移動や設置をするといった作業を行ったりもします。
また、重量鳶は橋梁などの主桁架設などを行うこともあるようです。
このように、鳶職人といっても、その仕事場、仕事内容により更に専門的に分かれています。
雨の日でも、鳶職人は作業をするのか
工事現場は屋外での作業が中心ですよね。
鳶職人の作業は屋外の高い場所での作業になるため雨の日、高所での作業は滑ったりする可能性もあり難しいのではないだろうかと思われがちです。
このようなことから、鳶の仕事は天候に左右されやすいのではないかと思う方もいると思います。
しかし、実際には雨が降っても作業は行われます。
工事には納期があります。そのため、納期が近い場合など悪天候といった天候に関わらず合羽を着てでも作業を行っていく必要があるのです。
また、小規模の足場鳶の場合、引き上げた足場の整理という現場での作業以外にも、する必要のあることが多くあります。
このように、天候に関わりなく作業をする鳶の仕事ですが、土砂降りや嵐、台風など納期が近い場合でも危険が伴う場合には作業ができないこともあります。
鳶職人の足場での作業、高い場所での作業を行う際には、法令によってさまざまなことが詳細に決められています。
悪天候での鳶職人の作業条件は詳細に決められている
建築工事の現場では、強風・大雨・大雪・地震・暴風を悪天候としています。
自然災害は、私たちが予測できないことが多くあります。
このようなことから、安全基準について規定されています。
例えば、足場が2メートル以上の作業場所で強風や大雨などの危険が予測されている建築現場では作業を行うことはできません。
また、降雨量50ミリメートル以上の場合、大雨によって作業が中止になります。
なお、降雨量50ミリメートルというのは傘をさせていても濡れる場合や、道路に水が溜まって川のようになる状況です。
また、降雪量25センチメートル場合も作業は中止となります。
降雪によって視界が悪くなる、大雨の場合と同じように感電などの危険があります。
また、震度4以上の地震が発生した場合は、物の落下などの危険が予想されるため、このような場合も鳶職の仕事は作業中止となります。
まとめ
鳶職の作業場所は高いところということもあり、悪天候や地震などが影響で作業を中止する必要がある場合があります。
また、雨などの量が少ない場合は納期の問題などによって作業をする場合もあるため、雨が降るとお休みになることとは違います。
鳶職の作業は、しっかりと安全基準が決められていることもあるため安全基準以下の場合には雨の中での作業を行っていきます。
また、屋外での鳶職の仕事ができない場合には別の場所で資材の加工や屋内での作業を行っていくこともあるようです。
屋外での作業が中心となる鳶職ですが、しっかりと安全基準が設定されていることで基準も明確であり、安全に仕事を行っていけるのではなでしょうか。