建設現場では多くの専門職人が自身の技術を活かして仕事をしています。
そのなかで大工や鳶職といった職種の専門職も活躍しているものの、建設業界に詳しくない方にとって違いがわからないというケースも少なくありません。
一方で、大工と鳶職とでは作業内容や職種に大きな違いがあるのです。
そこで今回はそれぞれどのような職種なのかを解説し、工事の現場ではどのような活躍をしているのか違いを踏まえながら見ていきましょう。
大工とはどのような仕事なのか
大工と鳶職との違いを知る前に、まず大工とはどのような仕事なのか知っておくことが重要です。
ここでは大工の概要と大工の種類についてみていきましょう。
大工は建築工事のスペシャリスト
大工は建設工事の現場で建築物を建てていく専門職です。
建築とは、建設工事のうち、建物を建てていく作業を指します。
設計士による設計図をもとにして材料の調達を行い、それを作業所や現場で加工し、建物を建設していくのが主な業務になります。
種類も多い!細分化される大工の仕事
大工は建築工事のスペシャリストであり、建築にかかわる多くの業務を行えます。
しかし、工事の高度化によって特定の部分へ専門化された大工に枝分かれしており、主に次のような大工が存在しています。
・建築大工
・型枠大工(かたわくだいく)
・造作大工(ぞうさだいく)
まず建築大工は住宅や戸建てといった木造建築を手掛ける大工で、多くの方がイメージする大工です。
次に型枠大工はコンクリートの型である型枠を組み立てたり解体したりする専門の大工です。
最後の造作大工は内部の仕上げを専門とする大工で、リフォームなども積極的に行っています。
鳶職はどのような仕事か?
大工と混同されがちな鳶職ですが、実は大工と全く異なった業種です。
その点について解説しましょう。
鳶職は高所作業の専門家
鳶職は建設現場の一番高いところに上って作業する専門職です。
場合によっては足場すらないところを登って作業をすることもあります。
こちらも業務範囲が広いため細分化されています。
主な鳶職の種類
鳶職は大工が作業をしない高所部分を専門に施工しますが、主に次のような職種があります。
・重量鳶
・鉄骨鳶
・足場鳶
重量鳶はどちらかといえばクレーンなどを操作したり、建設現場用の大型機械などを設置したりといった業務がメインの鳶職です。
鉄骨鳶は多くの型がイメージしやすい鳶職といえ、高所に上がって鉄骨を組んで行ったり、高所で建設作業を行う専門職です。
最後の足場鳶は足場の組み立てや解体を行う鳶職です。
大工と鳶職の違いは?
結論を言えば、大工と鳶職の違いは、作業場所です。
大工は建築現場で建物を建てていく職業であり、鳶職は高所作業を専門に行う職業ということです。
何かを作るという面では似ていますが、作業している場所が違うのがそれらの職業の違いといえます。
大工と鳶職の両者はさらに細分化されるものの、二つの職業を分ける大きな違いとして先ほど紹介した作業する場所やシーンということが挙げられるのです。
まとめ
大工と鳶職は、建設工事の現場で重要なポジションを占める専門の職人です。
今回はそれぞれどのような業務を行っているのか解説し、そのうえで主な違いについても見ていきました。
その結果、大工と鳶職とでは大きく業務内容が異なるという事実がわかったはずです。
また、大工といっても、あるいは鳶職といってもさらにそれぞれ区分けがあることも知ったのではないでしょうか。
大工や鳶職など専門職の違いを知ることで、建設現場のコミュニケーションが円滑になったり、施主になった際も現場の様子が理解しやすいというメリットもあります。
大工と鳶職のそれぞれの違いについて知っておきましょう。