鳶職と聞いて、どんな仕事内容をイメージできるでしょうか。
鉄骨を肩に乗せて高所作業をしているイメージを持っている方も多いでしょうし、木造住宅の足場の組み立て作業をしている姿をイメージしたりするのではないでしょうか。
どちらも鳶職の仕事内容にはなるのですが、それ以外にも関わりが異なる鳶職の仕事がたくさんあります。
そこで今回は、鳶職の仕事内容について掻い摘んでご紹介したいと思います。
足場鳶
一般の方が知っている鳶職の仕事は『足場鳶』の仕事です。
足場鳶は、足場の組立と解体を行うのですが、戸建住宅の外壁塗装をしたり、屋根の修理をするためには足場が必要になります。
その足場を組む職人を鳶職といいます。
足場の完成後のイメージを作成してから必要になる資材の数を揃えることもします。
資材についてあえてふれませんが、踏板には大ブラを使ったり、支柱と支柱を繋げるのに手摺を使っています。
手すりを架ける場所は建物の縦の長さに加えて建物の足場の距離から試算するので、長さに対して手摺何本分というように本数を正確に出していくこともします。
固定ジャッキの本数や固定ジャッキの下に敷くアンダーベースの本数など、鳶職が資材を揃えることができなければ作業は先に進められません。
また、落下事故防止のために手摺や先行手摺を使っていくので、この完成までの作業はとても重要なものになります。以上の仕事が鳶職のベーシックな仕事内容です。
様々な種類の鳶職
鳶職はさまざまな専門分野に分かれて作業にあたっています。
その分野で必要になる資格もあり、給与面に違いもありますし、危険性も異なります。
足場鳶の他にも以下のような職人がいます。
・鉄骨鳶
・重量鳶
・橋梁鳶
・送電鳶
それぞれの仕事内容については以下の通りです。
鉄骨鳶
鉄骨鳶は、ビルやマンションなど大きな建物の基盤の骨組みを立てるのが仕事です。
鉄骨やボルトを使って作業を行います。高所での作業になるので、タワークレーンを使って数トンある鉄骨を吊り下げながらの危険度が高い作業をこなしています。
重量鳶
重量鳶は数百トンもの重量物を取り扱います。
主に工場に大型機械や工作物を搬入するときに活躍する職人です。
精密機械を扱うだけに、細心の注意が必要になります。
橋梁鳶
橋梁鳶は、橋や高速道路の建設、ダムや鉄塔の建設を行う仕事です。
海から、山からといった環境で足場を組むのですが、通常の枠組みは無理があるので特殊な足場を組むために高度な技術が求められます。
高収入が見込める職種です。
送電鳶
送電線の建設や保守・点検を行うのも鳶職の仕事ですが、貴重な人材であり、安全性を第一に考えながらの仕事になります。
専門知識と特殊技術が求められています。
鳶職のやりがい
体力的にキツイ仕事になり、常に怪我や命を落とすリスクが付いてくる仕事内容です。
また、計算をして組み立てた足場も建設工事が終わるのと同時に解体しなければなりません。
カタチとしても残らない仕事だといえます。
しかし、多くの鳶職が口にしているのは「鳶にはじまり、鳶に終わる」という言葉です。
建設工事をする職人たちが、安心・安全に作業ができているのは足場のおかげです。
鳶職人がいなければ、建設工事はまったく先に進めません。
そのことを鳶職も分かっており、誇りに思っています。関係者の安心・安全と、作業効率アップを図れる立場というのがやりがいに繋がっています。
