ー足場に使用される壁つなぎとは？必要性や設置方法の種類を紹介ー

keisinkougyou_user

7か月前

建設現場で必須となる足場は、多数の部材を使用して組み立てられます。部材のなかでも重要なものの一つが「壁つなぎ」です。

この記事では、足場の壁つなぎの必要性や適用される場面を紹介し、種類についてもお伝えします。

足場を使う建設現場に携わる方や理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。

足場組み立てに重要！壁つなぎの基礎知識

壁つなぎとは、足場を建物の壁に安定させるための部品や金具のことです。壁に直接取り付ける（のちほど修復が必要）方法で安定させるのが一般的です。

以下では、足場つなぎの目的と設置義務付について説明します。

足場の壁固定の主な目的は、建物と足場を確実に結びつけることです。この連結により、足場の崩壊や変形を防ぎ、作業現場の安全を確保します。

足場の壁つなぎには、建設現場をはじめさまざまな業界の安全基準を定める「労働安全衛生規則」に基づいた設置義務があります。

過去に足場が崩壊した事故で壁つなぎが適切にされていなかった事例から、安全確保の観点で義務化されました。

「一側足場」や「くさび緊結式足場」など、足場の種類によって壁つなぎの設置間隔は異なり、それぞれに細かく明記されています。

壁つなぎの設置方法において、実際の施工で主に用いられるものとして以下の3種類があります。

足場の安全性の確保には、設置基準をもとに現場に合った方法を選択することが大切です。

足場部材である単管パイプを使用して建物の構造体を挟み込む手法です。単管パイプを「F」の形に配置して、足場と壁を連結します。

解体工事の際に用いられることが多い方法であるものの、ほかの壁つなぎ方法と比較して固定力が若干劣る点が挙げられるため、強度の検討が必要です。

専用の壁つなぎ金具を使用する方法もあります。具体的には、片方がクランプ、もう一方が壁に固定するためのネジ（オスネジ）で構成された部材です。クランプ側がジャッキのように機能し、建物と足場の間隔を調整できます。

コンクリート造の建物で使用するインサート、外壁の目地を利用する先付けタイプのプレートアンカー、外装仕上げ後に取り付ける後付けのプレートアンカーなどがあります。

単管パイプとクランプを利用した壁つなぎの設置方法です。クランプの締め付けを調整することにより、耐久性を高められます。単管パイプを挟み込む方法と同様に、専用の金具なしで施工できるのが特徴です。

足場と建物を接続する壁つなぎの強度は、安全性を確保するための重要ポイントです。以下のような要素にもとづいて強度計算が実施され、適切な壁つなぎ方法が選ばれます。

・足場が設置される位置

・養生材の風圧による影響

これらの要因をふまえて、壁つなぎ部材の種類を選択することが必要です。足場の壁つなぎを選ぶ際には、強度計算書を作成し、現場での最適な強度を確認することが重要となります。

足場の壁つなぎは、建物と足場の間をつなぐ重要な役割を果たす部材です。壁つなぎの部材を選ぶ際は、安全確保のため強度計算書をもとに最も適したものを選択することが重要であり、法的にも設置が義務付けられています。

今後、足場の工事現場で壁つなぎを目にする機会があれば、構造を確認してみるのも良いでしょう。

各業者が足場と建物の接続に関して工夫を重ねており、工事の内容に応じて壁つなぎが異なる点にもぜひ注目してみてください。