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【鳶職人が履いているズボンのカタチには理由があるのか調査】

 

 

鳶職人といえば、建物を建てる際に器用に高所で作業をしているイメージですが、
その鳶職では作業着に特徴があります。
いわゆるダボッとしたズボンで、ニッカポッカとも呼ばれていますが、
あの独特のカタチの理由であったり、鳶職人だけが着用している理由などを調査してみましょう。

 

■鳶職のズボンの歴史

独特なダボッとしたズボンはニッカポッカと呼ばれていますが、正式にはニッカーボッカーズと呼ぶようです。
カタチとしては、ひざ下丈で、ゆったりとしたズボンです。
裾を足袋の中に入れて履くのですが、日本で広まった当初は使い方が異なっていたようで、
邪魔にならない裾の利便性からゴルフや乗馬などのスポーツウェアに活躍されていたり、
軍服としても着用されていたようです。
日本では1900年代から工事現場の作業着に採用されています。
ニッカポッカのデザインは当時からあまり変化がないようで、機能性は高いままです。
ただし、2000年代からはカラーバリエーションが増えています。
以前は黒や紺、白などがありましたが、
最近では女性の鳶職人も増えているためか、ピンクやパープル、
イエローなどのカラーバリエーションがラインナップされています。
サイズも豊富ですから、体型を気にせずに安心して作業着に使えます。

 

■ズボンがダボッとしている理由

ニッカポッカと呼ばれるダボッとした理由は、鳶職ならではの機能を持っているからだといいます。
例えば、足さばきがよいということも理由です。高所での作業では足さばきが危険性に繋がります。
高く上げたり膝を曲げたり、下半身をしっかり動かす必要になるので、
ピタッとしているズボンよりも股下に余裕があるカタチなので足を動かしやすく、
危険度が低いといいます。足の可動域に制限がなければ、作業効率もアップするでしょう。
また、足場が良い環境下ばかりではないので、転倒したり怪我リスクを低くしてくれることは重要なのでしょう。
ニッカポッカは肌にピタッと密着していないので、障害物が無造作に置いてあるような現場で引っかかっても、
ダメージを和らげるのかもしれません。
股下がフワッと余裕があれば、大股でも歩くことができますから、
作業効率をアップするためのウォーミングアップのストレッチもしやすいといいます。

 

■センサーがわり

鉄骨の上などを闊歩するのが鳶職人の特徴です。
先にあげたように、歩くときに出っ張った障害物にズボンが触れてしまえば危険ですが、
ニッカポッカのダボッとした生地が先に触れてくれるので、危険になる前に察知できます。
また、このダボッとした余りの出る生地だからというのも採用されている理由になるようです。
というのも、風の影響を受ける危険度を回避できます。
鳶職は高所での作業がメインです。地上よりはるかに風が吹いている場合もあります。
ですから、ニッカポッカを着用する理由としては、風で生地がなびき始めると危険ということを察知でき、
作業を一旦休めるワケです。
高所だからこそ、強風に煽られる場合が少なからずあるため、転落などを未然に防ぐことが重視されます。
ベルトに安全性があったとしても、命綱があったとしても、
ニッカポッカはそうした風の強さを知る目安になる作業着になります。
地上からもそれを確認できます。
鳶職人にとっては、作業そのものの安全性のみならず、作業着にも安全性が付帯されています。
裾が広がりすぎないように、足袋にしっかり収まるカタチになるので、
足元に細心の注意が払えるのも頷けるでしょう。
オシャレなデザインではない理由があるため、
現在も、工事現場などでは作業着として貸与しているケースが増えています。

 

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